【FF14】相棒の猫と、また旅(マタタビ)をはじめました!めくるめく萌ゆる日常をゆるりゆるりと書いていきます。
 リンゴの記憶 (第一話)
2017年09月14日 (木) | 編集 |
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「だーるーまーさーんーがーこーろーんーだ。」


見ててね・・・これは魔法なんだよ。


「だーるーまーさーんーがーこーろーんーだ。」


どんどん大きくなっていくよ。


「だーるーまーさーんーがーこ・・・」





遠い遠い記憶の中に、ぼんやりと浮かび上がるのは

茶箪笥を見上げている小さなやっくん。




届かないんだ・・・。

あれに触りたくて母に聞いた。





「あのリンゴ・・・触ってもいい?」

すると母はそっけなく




「うーん、また後でね。」

と答えた。





「わかった!またあとで!」






そして一週間が過ぎた頃









突然、そのリンゴは茶箪笥から消えた。








「お母さん、あのリンゴはどこにいっちゃったの?」



すると母は



「あ、あの赤いやつ?あれはね・・・・」






聞くと、母はリンゴを捨ててしまったのだという。




どうしても触りたかったあのリンゴ。


またあとでねって言ったのに・・・。







姫リンゴのいない古い茶箪笥がとても寂しかった。





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ファンフェスの会場でリリ助の「竜の目のキャンドル」を前に白昼夢を見ていた。



「やっくん、早く次に行かないと祖堅さんいなくなっちゃうよ~!」


一緒にいるフレに後ろから声をかけられ我に返る。


「あ、ごめんごめん!了解だよ~!」


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解説しよう。
この「竜の目」とは、ファイナルファンタジー14の「蒼天のイシュガルド」のお話の中に出てくるキーアイテムである。
そして、FF14のお祭り「FF14ファンフェスティバル」の催しで行われた「ファンアートコンテスト」の一次審査を通過したフレンド「リリ助」の作品なのだ。


竜の目には過去を見せる力があるのかもしれないな。

(我ながら素晴らしい厨二病っぷりだ・・・。)


リリ助の作品をカメラにおさめ、私は苦笑しながら、開発コーナーへと向かった。







そして、ファンフェスも終わりだいぶ日が経ったある日の事、写真整理をしていたら、リリ助の竜の目の画像がでてきた。



(あ、懐かしいなw)



その時・・・またあの現象がおきる。


「だーるーまーさーんーがーこーろーんーだ。」


そうか・・・私の中にあるあの幼かった頃の記憶は、まだ消化されていないんだな。


(仕方ないな~w)


私は、竜の目によって引き出された記憶を紐解いていく事にした。






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幼きやっくんは、コップの中を不思議そうに覗き込んでいた。



「これはなあに?」



すると隣にいた母は、赤い水の入った別の容器を私の前に置いた。



「蝋燭を作るんだよ。赤いのが蝋ね。これが固まるといつも使っているような蝋燭になるの。」



「蝋燭?白じゃないの?」


「クレヨンを削って色を付けたから赤いんだよ。」


「クレヨンかー!すごいね~」



そして、母は芯になる白い糸を赤い蝋の入った容器にたらす。


そして


「だーるーまーさーんーがーこーろーんーだ。」


そう言ってから、水が入っているコップにその糸をつける。



「糸が赤くなった!!!」


やっくんは、驚きながら母を見上げる。



「見ててね・・・これは魔法なんだよ。」


「どんな魔法?」


「この赤いのがどんどん大きくなっていく魔法だよ。」


「すごいね~!」


「だーるーまーさーんーがーこーろーんーだ。」



何度も何度も呪文のように入ってくる「だるまさんがころんだ」を聞きながら
目の前の容器を行き来する赤い糸。

私は魔法にかかってしまったんだな。

眠くなってきて、実はそこからの記憶がない。






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「あ、起きたんだ。おはよう」

母はさやえんどうのスジとりに夢中だった。



「あれ?赤い蝋燭はどこにいったのかな?」



やっくんはキョロキョロと見回したが容器はない。糸もない。


「茶箪笥だよ。」


そして、茶箪笥に向かうと、やっくんの手の届かない高い棚の上に「姫リンゴ」のような小さな蝋燭ができあがっていた。



「リンゴだ!!!」


すごい。本当に魔法だったんだ!
だるまさんがころんでリンゴができたんだ!!



「リンゴじゃないよ~。ただの丸い蝋燭だよ~。」



母は自分で作ったものが、思ったほどの出来栄えではなかったようでそっけなく答えた。



でも、やっくんにはしっかりとリンゴに見えていたんだ。

とっても可愛い・・・欲しい・・・。



「あのリンゴ・・・触ってもいい?」



すると母は


「うーん、また後でね。」


という。



お母さんは「さやえんどうの魔法」にかかっているのかな。



「わかった!またあとで!」



きっと、あんなに上手に作ったリンゴだもの。
私が触って壊しちゃったら大変だよね!

大人しく触らせてもらえる日がくるのを待とう。




いつ触れるのかなぁ・・・とドキドキしながら茶箪笥に足を運ぶのが日課になった小さなやっくん。

今日かな?明日かな?




そして



一週間が過ぎた頃、そのリンゴは突然消えてしまった。




「お母さん!りんごがなくなっちゃったよ!!」

慌てて母の元に走り寄るやっくん。



「リンゴってなあに?リンゴなんて買ってないよ~。」


「ちがうよ!あのタンスに入ってたリンゴだよ!」



すると母は


「あ、ごめんね。なんかあまり良くできなかったから、もう捨てちゃったよ。」


「えー・・・・・・。そうなんだ・・・。」




「ごめんね。」


「うん。」



捨てるくらいだったら、私にくれても良かったのにな~。

だって本当に触りたかったんだもん。


その後、その姫リンゴのような赤い蝋燭が作られることは、永遠になかったんだ・・・。





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という懐かしい思い出話をリリ助に話した。

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やっくんとリリ助は、主に「深夜組」と呼ばれるFF14勢w
遅い時間に特になにか活動するわけでもなく、ダラダラとチャットして遊んでいる事が多い。


元々リリ助とは「エオルゼアカフェコンテスト」で一緒に受賞した経緯があって仲良くなった。
たまたま同じアレキサンダーサーバーだった事も驚きだが、そんなFFイベントが終わった後の現在でも仲良くさせてもらっている。




「リリ助の竜の目って凄いな!いくつの時の記憶だろう・・・多分家にいるから幼稚園に行く前の話で3歳くらいの記憶だと思う。そんな思い出が急に蘇ったんだよ。笑っちゃうでしょ~。」


するとリリ助から意外な言葉が

「やっくん!それ作ろう!!!リンゴの蝋燭!!」



「え?」



「やっくんのお母さんみたいなのが出来るか分からないけど、私もちょっと作り方を考えてみる!」


「いやいや、母も元々リンゴとして作ったわけではなくて、結果的に私がリンゴに見えただけだから。すっごい歪でヘッポコな物だったと思うし。まあ、ただの昔話だよw」


「レシピができたら連絡する!やっくんは休みが合う時に私の所に来て!」


「お、おうw」



というわけで数日が経った休みの日に、やっくんは電車に揺られ都内へ出向く事となったのである。





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リンゴの記憶 (第二話)へ続く















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