【FF14】相棒の猫と、また旅(マタタビ)をはじめました!めくるめく萌ゆる日常をゆるりゆるりと書いていきます。
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 #3 アザレアの鉢植に 込められた想い
2016年05月12日 (木) | 編集 |
今日のお話は 『アザレアの鉢植に 込められた想い』 の続々編になります。
まだ読んでいらっしゃらない方は先にこちらからどうぞ。


第一話→『#1アザレアの鉢植に 込められた想い』 

第二話→『#2アザレアの鉢植に 込められた想い』 



5月8日(日)、それは1本のメールから始まりました。

一生懸命僕達を育ててくれた母に、母の好きな花を届けたい・・・。
そんな1人の青年の想いから始まった、素敵なサプライズ企画。

嬉しくて、悲しくて・・・でもとても温かい、ノンフィクションの素敵なお話です。

それでは最終話。
どうぞごゆっくりとお楽しみ下さいませ。



20160509_011.png


私は、一緒にLSを設立したアコと共に斎場についた。


足が思うように進まない。

こんな形で・・・・初めて会ういずみちゃんのご主人。

私はどんな顔をして会えば良いのだろうか。


受付を済ませ、場所を確認する。


辺りは落ち着いた物悲しい香りが漂っている。


多くの方が参列している中、いずみちゃんを見つける。
親族に挨拶をしているようだった。



目が真っ赤だ。

母と子2人・・・・。



それでも、気丈にも弔問客1人1人に話をしている3人に、きゅーっと胸が締め付けられる。
喪服姿に身を包んだいずみちゃんは、とても小さく見えた。


想像がつかないよ。
昨日まで普通のあったかい家庭があったいずみ一家。

いつも笑いが絶えない、そんな素敵なファミリーだった。

それが突如として、母1人、子2人だけで生きていかねばならなくなったのだ。
子供達はまだ学生。



不安。

悲しみ。

戸惑い。



色々な感情に押しつぶされそうになる。




斎場の方が「どうぞ」と案内してくれる。




(いずみちゃん、ネオンちゃん、娘ちゃん、来たよ。)




見上げると、そこには初めて見る赤猫さんがいた。



お焼香をして手を合わせる。



つい、先日まで画面の中にみていた赤猫さんの姿・・・。

写真の中の赤猫さんはゲーム内で見る赤猫さんと一緒で、とても優しい顔でこっちを見ていた。





いつも、遅くまでお仕事をしていた赤猫さん。

あの日、私が最後にみた赤猫さんは、いずみちゃんと2人で、軽く遊んだ後に就寝。

ほんとに少しだけ・・・ちょっとだけログインして落ちた。



次の日、会社にでかけてそのまま泊り込みになってしまい、そして帰らぬ人となってしまった。


後で聞いた話だが、赤猫さんがログインしたのは数ヶ月ぶり。
そして、その日に入っていた時間はたったの2時間程度だったと言う。

たまたま、私はその時間にサーチをかけ、偶然にも赤猫さんの姿を見ていたのだった。



赤猫さん・・・。



ウソでいいからさ。怒らないからさ。

ほら、この後カーテンがザーって開いて、ドッキリでした~。って

・・・ホラ、よくTVとかであるでしょ?


冗談が大好きなやっくんが、足を運んできたんだよ?
サブマスターまで連れてきちゃったんだよ。


もう、いいじゃん。



起きていいから。



心の中で一生懸命に語りかける。



動かないやっくんに、アコが戸惑いの表情を見せる。

あ「少し待ってみて、後でいずみちゃんに声かけられそうだったら・・・にしよう?」

小さい声でアコが言う。

私は小さく頷いて、その場を離れた。




私とアコは邪魔にならないよう、最後の方にご挨拶に行く事にし、列がなくなるのを待った。





しばらくして、弔問客がポツポツと引いていく。

祭壇から赤猫さんの入った棺が下され、お顔が見えるよう棺の扉が開かれた。




いずみちゃんは、ネオンちゃんと娘ちゃんに父の顔を見せつつ何か話をしていた。

2人は、ずっと母の側を離れなかった。

いずみちゃんと娘ちゃんは、泣き腫らした顔で今を耐えていた。

ネオンちゃんだけは涙を流さず、母の隣でまだ帰り切らない弔問客の対応に当たっていた。




ネオンちゃんと初めて会ったのは、彼がまだ中学生だった頃。
まだあどけない表情で「やっくんこんにちは!」と挨拶してくれたあの日からタイムスリップした彼は、背が高いとてもしっかりした男の子になっていた。



しばらく隅の方から様子を伺っていると、いずみちゃんが私達に気付いてこちらに笑いかけてくれた。




あなたって人は・・・



こんな時でさえ、私達に笑いかけてくれるのか。
自分達の事で精一杯のはずなのに・・・。


いずみちゃんは、大切なご親族がいらしている中、私達に手招きをしてくれる。


い「やっくん、来てくれてありがとうね。隣はアコちゃんかな?初めまして。こんな形で本当に申し訳ないけれど、主人の顔を見ていってあげてくれないかな?」


優しい笑顔をこちらに向けながら、いずみちゃんが言う。


私達が近付くと、娘ちゃんにも笑顔が戻った。


母が微笑んだのを見て、娘ちゃんも緊張が薄れたのだろう。

子は、母をずっと見ていた。

とてつもない悲しみの中、母は子を想い、子は母を想っていた。


娘「母さんが笑ったの、初めてみた。やっくんが来てくれたからだ。ありがとう。」


娘ちゃんが言ってくれた言葉に、その笑顔に・・・私も涙が止まらない。

なんで・・・お礼なんて・・・。
お礼なんていらないんだよ。仲間なんだから・・・。


ネ「来てくれてありがとう。アコさん泣かないで下さい。大丈夫ですから。」


ネオンちゃんも、笑顔を見せながらアコの涙を自分の指でそっとなぞった。


過労だった。


赤猫さん、毎日遅くまでお仕事をしていた・・・家族の為に。
眠る時間を削り、身を粉にして働いていた。

心臓が弱くなっていたのだと言う。


病気とか、事故とか、そういうものではなかった。


あってはならない現実がそこにあった。


どうにかならなかったの!?


怒りと悲しみが交差する。

心臓に何か無理やり風船を入れられたような・・・
内側から急激に圧迫されているような・・・そんな痛みに襲われた。



こんな素敵な家族と突然の別れを告げる事になってしまった赤猫さん。
ホントに無念に違いない。今、あなたは何を想っていますか?
素晴らしいお母さんですよ、素晴らしい子供達ですよ。



私は涙拭くことも忘れ、沢山沢山その棺に声をかけた。



赤猫さん、こんな形ではなくきちんと会いたかったよ。


私は、LSメンからお線香代を預かってきて、それを受付の方にお渡しした事。
その際、失礼かとは思ったけれども、お線香代を送ってくれた方達の名前は、ゲーム内で使っているキャラクター名をそのまま綴ってお手紙にして入っている事。
あと、沢山の人から励ましの言葉を頂いてきている事。
駆けつけたかったけれど、どうしても行けないから・・・でも伝えて欲しい。



いずみちゃん、みんなココにいるから。



そんなLSメンバーから預かってきたメッセージを丁寧に伝えた。



い「これだから、参っちゃうよね・・・みんな、ね、こんな事してくれるなんて・・・。」


いずみちゃんは、笑いながら・・・ハンカチを目元に持っていった。






それから数年が経ち・・・




今は、FF14というゲームにシフトチェンジし、私達は相変わらずず〜っと一緒に旅を楽しんでいる。

FF14では、いずみちゃんのキャラを筆頭に、ネオンちゃんや、娘ちゃんのキャクターが作られ、3人仲良く交互に遊んでいる。




ネ「一生懸命、僕達を育ててくれている母に、母の大好きな花を贈りたいんだ。」




あまり金策が上手ではない戦闘職一筋のネオンちゃん。

少ない時間の中で一生懸命にギルを貯め、母の為に花を買い、調度品を買い、装備を買い、母に似合うかな?とと、カララントで色を染めて用意した、メール2通分にもなる素敵なサプライズ。


ネ「アザレアの花、母は喜んでくれるかな?」


や「喜ばないわけないじゃない。いずみちゃんは、こんな素敵な子供達がいて、本当に幸せだと思うよ。」


照れくさそうに、笑いながらエモーションを飛ばすネオンちゃん。

いや、もうネオン君だね。立派な男性に「ちゃん付け」は失礼だ。


明日もまた、いずみ一家は同じ一つの画面を見ながら、冒険を共有して楽しんでいくのだろう。



ゲームとは言っても、その画面の向こう側には誰かがいる。

あなたを思う友がいる。

何が支えになるのか分からない。


息子君が考えた精一杯のサプライズに、ちょっとでもお手伝いできた事をわたしは光栄に思う。



アザレアの花言葉

「あなたに愛される幸せ」



ネオンちゃん、知って送ったのかはどうか分からないけれどw


そして、いずみちゃんのびっくりする顔を想像しながら、私はすました顔をして今日もログインするのだ。



20160509_010.png



アザレアの鉢植に込められた想い -完-


第四話(おまけ)→『#4 アザレアの鉢植に込められた想い(インタビュー)』





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